多焦点コンタクトレンズについて
多焦点コンタクトレンズは、眼の奥(眼底)の周辺に焦点が結ぶ距離が通常のコンタクトレンズ(単焦点コンタクトレンズ)や通常の眼鏡と違うために、眼の長さ(眼軸長)が伸びにくいと考えられています。近視抑制効果は30~40%といわれています。保険診療で診察をいたします。
近視の進行が完全に止まるわけではありません。個人差もあります。

対象となる方
- 小学校高学年以上
- ご自分でコンタクトレンズの装着・脱着ができる方
- 小学生・中学生は3ヶ月毎の通院ができる方
- 中等度以上の近視がある方
禁忌・適応外
- 眼に他に疾患がある方
- 視力低下が主に乱視による方
処方・検査・診察
コンタクトレンズ装用が初めての方は、一通りの検査と診察をして適応の有無を確認したあと、装用練習が必要です。装用練習が必要な場合には、時間を要しますので、基本的には、後日予約をして受診していただきます。
- 装用練習は1回30分といたします。練習してもできない場合には後日改めて受診していただくこともあります。視能訓練士と相談して決めましょう。
- 装用練習を行って、視力や見え方の確認、違和感の有無、フィッテイングをチェックしてから、コンタクトレンズ注文の手続きをします。
- その後は、3~6ヶ月毎の定期検査になります。小中学生の方は、通院は3ヶ月毎をお勧めしています。
治療の費用
治療費用(検査・診察) | |
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コンタクトレンズ定期検査 | 保険診療で行います。 |
コンタクトレンズ購入費用 | ¥3,850(税込) 32枚入り1箱 |
- コンタクトレンズの注文可能枚数は、通院の間隔によって違います。
- 近視抑制として検査・診察を行うために、当院からSEED社にコンタクトレンズの販売を依頼して、購入していただいています。
- 学校からの視力検査結果で受診した方は、「近視」病名ですので、コンタクトレンズ診療の続きとなってしまいます。定期的に受診されている方は、直近の検査結果を踏まえて学校への返信をお渡しします。詳しくは外来窓口にてご案内します。
- 他の近視進行抑制治療を併用して行う場合には、日本眼科医会の指導により、診察は保険診療ではなく自由診療となります。その場合には、コンタクトレンズ装用練習の時にコンタクトレンズ診療費1,100円(税込)が別途必要です。
メリット・デメリット
メリット | デメリット |
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よくある質問
- 近視はよくなりますか。
- 近視の度数はよくなりません。近視の進行を軽減させることが期待できます。完全に進行をとまらせることはできません。近視の進行予防効果は30~40%程度とされていますが、効果には個人差があります。
- コンタクトレンズは安全ですか。
- 「SEED 1Day Pure EDOF」は国内コンタクトレンズメーカーの大手のシード社が国内工場で生産しています。通常は遠近両用コンタクトレンズとして多く使用されており、安全性は十分に高いとされています。しかし、近視進行予防を目的としては承認されていません。お子さんに使用しますので、日ごろの管理、通院が重要です。保護者の方のご協力をお願いいたします。
- 多焦点コンタクトレンズの短所はなんですか。
- 通常のワンデーコンタクトレンズの視力よりもやや見えづらい感想を言われる方もいらっしゃいます。使用注意事項は、通常のワンデーコンタクトレンズと同じです。感染症やアレルギー、角膜上皮障害などの危険がありますので、使用方法や注意事項を守って使用していただき、また、定期的な検査のため通院をしていただければと思います。
- 通院は必要ですか。
- 必要です。このコンタクトレンズは遠近両用コンタクトレンズとして使用されている安全性の高いレンズです。しかし、当院では近視進行抑制を期待して、お子様に処方します。そのため、定期的な検査などをして十分に眼の安全を守りたいと考えております。親御様には日頃のお気遣いとお時間をいただきますが、定期検査に通院していただけますようお願い申し上げます。
- クリニックの診療時間にいつでも受診してよいですか。
- コンタクトレンズ装用が初めての方、レンズ着脱がスムーズに行えない方は、装用練習が必要なため診察予約が必要です。予約なしで受診された場合は、基本的に予約の上、後日再度受診していただき、装用 練習が必要となります。コンタクト使用経験があり、レンズの脱着がご自身でできる方は通常の再診予約で受診してください。(受付終了30分前までに受診してください)
- コンタクトレンズはすぐに入手できますか。
- 度数が確定してから注文をし、納期に数日かかります。ネットからSEED社に注文し、ご自宅に届きます。
- 一度の診察で、引き続きいつまでコンタクトレンズを購入できますか。
- 小学生の方は3ヶ月毎に受診していただき、コンタクトレンズも継続して3ヶ月分購入できます。中学生~高校生の方は、装用に問題がなければ、4~6ヶ月に一度の診察と、4~6ヶ月分の注文が可能です。
- 他の近視進行抑制治療と併用でできますか。
- できます。しかし、他の近視進行抑制治療(すべて自由診療)との併用の場合には、日本眼科医会の指導により、自由診療扱いとなります。
- 他の近視抑制治療と併用した場合の費用はどうなりますか。
- 他の近視進行抑制治療(低濃度アトロピン点眼・レッドライト治療)はすべて自由診療です。それらとの併用の場合には、日本眼科医会の指導により、コンタクトレンズ診療も自由診療扱いとなります。コンタクトレンズ診療の定期的な検査・診療の費用は、他の自由診療の費用内で行います。コンタクトレンズ装用練習などの診察時には、コンタクトレンズ特別診療費1,100円が別途かかります。