近視進行
近視は主に、眼球が楕円形に伸び(眼軸長が伸びる)ることで生じます。一度、眼軸が伸びてしまうと、戻ることがありません。また眼球は体が成長する時期に伸びることが多く、低年齢の頃に早く伸びる可能性があります。小児の近視は増加しており、小学生の4割、高校生の7割が裸眼視力が1.0未満と報告されています。近視が生じると、大人になってから緑内障や網膜剥離などの視力にかかわる病気になる可能性があります。そこで生涯にわたって視力を良好に保てるよう、子どものころから近視を発症させない、近視になっても進行させないような取り組みが大変重要と考えられています。

どうして近視は増えているのでしょうか
近年のライフスタイルの変化が原因と考えられています。
1)外遊びが少ない

2)近くをみる作業が増加

近視の対処法
1)近視進行予防の生活改善
外遊びが多いと近視進行が少ないことがわかっています。1日2時間は屋外で過ごしましょう。
2)近くを見続けないようにしましょう
近いところを見る時間が長いと、近視になりやすいことがわかっています。 姿勢をよくして、部屋を明るくすることも心がけましょう。 PC、スマホ、本などは30cm離してみましょう。 30分みたら20秒以上、目を休ませましょう。
3)眼鏡・コンタクトレンズによる矯正
適切な矯正ができないと視力の発達、学習、お友達や周囲との関係、身体活動にも影響するとされています。お子さんの状態にあった視力矯正は、とても大切です。
近視進行抑制の治療
当院では近視進行抑制の治療として以下の3つの方法を導入しています。
1)低濃度アトロピン点眼(リジュセアミニ点眼、マイオピン点眼)

低濃度アトロピン点眼薬は、近視進行抑制が認められた唯一の点眼薬です。アトロピンは本来、ピントの調節を麻痺させ、瞳孔を開かせる目薬です。低濃度アトロピン点眼は濃度を薄くすることで、まぶしさを軽減することができています。
2)EDOF(多焦点コンタクトレンズ)

大人の近視の方に処方する多焦点コンタクトレンズ(老眼用)ですが、近視の進行抑制にも効果があります。周辺のピントが網膜の手前で合うことで、眼軸が伸びる刺激を抑えることができると考えられています。
コンタクトレンズを使用の場合でも、必ず眼鏡を
併用します。
3)レッドライト療法

※国内未承認医療機器
アイライジング近視治療用機器は近視進行抑制に有効であることが海外での臨床試験で証明されており、近視の進行を87.7%の抑制効果を示したことが報告されています。 650nm±10nmの低レベルの単一波長のレッドライト(赤色光)を放射します。この光は瞳孔を通って眼底に届き、眼底の血流を促進して代謝をあげることで、眼軸長の伸びを緩やかにし、近視の進行を抑制することができます。 近視の改善はありませんので、昼間は眼鏡やコンタクトレンズの装用が必要です。
まもなく導入予定
近視進行抑制治療の効果について
近視が治るわけではありません。近視進行抑制治療の効果は個人差があり、必ずしもすべての人に同じような効果が得られるわけではありません。 治療開始前には眼科医と相談し、適切な治療を選ぶことが重要です。 また、近視進行抑制効果をきちんと把握するためには、眼科への定期検査・診察が必要です。 ご希望の方はお問い合わせください。